0 %

リベラル a.k.a 岩間俊樹
2nd album『Surrearhythm』
特設ページ

アーティストコメント&リスナー代表 iso氏によるインタビュー記事

- もも(チャラン・ポ・ランタン)-

ヒップホップ、ラップ、わたし詳しくないけど大丈夫かな
としきくんが音源送ってくれたときはそう思っていたけれど、プレイしたらなんだかずっと踊っちゃっていっしょに適当歌い始めてた. 自由で、愉しいのが音楽だよね、飲み屋でラッパーに出逢えるなんて良い時代を生きてます
今度は生のライブ行って、踊らなくっちゃね

- 日向 ハル (フィロソフィーのダンス)-

素直で真っ直ぐな俊樹さんらしさが溢れたリリックと、とにかく踊れるトラック、そして今回もフューチャリングゲストが最高で3年待った甲斐がありました。ただいつも猫と戯れてる印象が強すぎて曲とのギャップがすごい。
この人猫撫でながらこんな事考えてたのか、、と思いながら聴くと更に味わえそうなアルバムです。1番共感したリリックは「名古屋行ったらやっぱりひつまぶし」。いつもワクワクさせてくれてありがとうございます〜〜!!!最高!!!

僕が参加するContactでのDJ&ライヴ・パーティー「REJOICE」で共演し、カフェ・アプレミディでリスニング・バー・イヴェントも主催してくれているリベラル。出会ったときから、そのポジティヴで誠実な佇まいが印象的だった。もちろんその生真面目な表情には、静かな怒りや憤りが秘められているのだが、それは彼のラップの印象そのもので、ジャジーでファンキーでメロウなトラックも、90sヒップホップに触れながら20代をすごした僕には馴染み深いものだった。
そんな、SABANAGUN.でも活躍する彼のもうひとつのプラットフォーム、「表現者から消費者に届くまで、関わる全ての行程がアート」という新たな“スラッガー”の誕生にエールを贈りたい。『Surrearhythm』は50をすぎた自分にも忘れかけていた感情を呼び起こしてくれる。彼のまなざしは15歳の鋭さと優しさを失っていない。

- 橋本徹(SUBURBIA)-

slugger PRODUCTION
特別インタビュー

インタビュー : iso

一足先にに聴かせてもらった訳ですが、本当に凄く良いアルバムでした。 タイトルの「Surrearhythm」、超現実主義を意味するシュルレアリスムをモジッた造語だと思いますけど、どう意味を込めてこのタイトルをつけたんでしょうか?

リベラル身近な言葉をタイトルにしたいって考えてて。シュールって言葉よく聞くじゃないですか。で、語源を調べたら芸術の一種の形態で。でも皆んな違う意味で使ってるなって。SNSとかでも本人が意図しないところで勘違いが生まれたりとか叩かれたりとかってよくありますよね。表面だけの部分しか見ずに判断しちゃって。その表面も事実ですけど、真実とは違いますよね。 シュールって言葉も違う意味で使われてて、それも真実と違うなって。俺の思ってる事とリンクしてるし。そこでシュルレアリスムのリスムをリズムに変えて、これだ…ってなったんですよね。上部だけの部分じゃ無くて真実を表現したいし、受け取る側もその真実の部分を見て欲しいなって思って。そういう気持ちからこの名前を付けました。

" Wear out the soulsは正に俺のルーツに繋がる曲 "

一まずオープニングが最高ですよね。一曲目のWear out the souls。暗転したステージからパッとスポットライトが当たる様な立ち上がり。 タイトルやリリックからも「毎日磨くスニーカーとスキルみたいな」HIP HOPマインドを感じます。 SABANAGUN.の活動の中では中々見えないですけど、ソロを聴いてるとこの人は本当にHIP HOP畑の人間なんだなって。 その音楽性というかHIP HOPマインドが産まれたルーツはどこにあるんでしょうか?

リベラルWear out the soulsは正に俺のルーツに繋がる曲で。 地元が青森の三沢なんですけど、ケンリュウってフッドスター的なラッパーがいて、兄貴がバックDJしてたんですよね。 イベントで2000人とか集客してるのを見て、俺もやってみたいなって。 そのケンリュウの1stと2ndをプロデュースしているのがT-4って人なんですよ。そっからずっと俺も曲作って欲しいって思ってて。  サナバの制作にも携わってくれてる福田さんってエンジニアがいるんですけど、地元の話になった時に俺が三沢って言ったらケンリュウの話になって。 「ケンリュウのアルバムMIXしたの俺だよ」「マジっすか!?」みたいな。笑 そこでT-4に曲作って欲しいって話したら、T-4は後輩だから俺が紹介してやるよって飲みの場をセッティングしてくれて。 その時に2ndアルバム作りたいって話して、ヒップホップマインド全開でアカペラ入れたCD-R渡したんですよ。そしたら向こうも喜んでくれて。 資金はあんまりないですけどって話をしたら「俺金で音楽やってないから」って。それで返ってきた曲がこれです。MIXは福田さんがやってくれて。 ケンリュウのアルバムを作った、T-4と福田さんの二人が自分のアルバムの1曲目を作ってくれたんですよ。 それが滅茶苦茶嬉しくて。ルーツと今を繋ぐ大切な曲ですね、これは。

一うわー良い話!縁を感じますねそれは。 アルバム全体を通して参加してるメンツが滅茶苦茶良いですよね。ビートメーカーも客演陣も。 

リベラルこのアルバムは本当マインドで繋がった人だけで構成されてるんですよ。 ONEやにぎりっぺのビートを作ってくれたのが澤近君っていう超音楽人間なんですけど。 I.MY.MEを凄く評価してくれてて、今回2nd作るって話したらどんな条件でも俺のビート使ってよって。 リベソロの事は俺が一番理解してるから曲作るよって言って、それで最初に出来たのがONEなんですけど。

一I.MY.MEがきちんと届くべきところに届いて評価されてたって事ですね。 個人的にはあの1stは過小評価だし、HIP HOPリスナーにもっと聴かれるべき作品だったなってずっと思ってて。

リベラルちゃんと聴いてくれてる人には届いたんですけど、もっと広がって欲しかったなってのは思いますね。 現代の音楽って消耗品のように消費されていくじゃ無いですか。 今人気のアーティストも5年後も残ってるか分からない状態で。俺はそれがすごく嫌で。 その一方で俺が子供の頃から音楽やってて今だに多くの人に支えられているミュージシャンがいる訳じゃないですか。 そういう人たちはやっぱりそれだけの理由があるんですよね。音楽的にも人間的にも正直であり続けてるというか。 音楽が好きで、正直に、楽しく、真摯にやってきた結果だよねっていう。 俺もそういう風に、各地方に応援してくれる土台を作って、そのムーブメントをを広げていきたいって思ってます。 その為には続けていくしかないですよね、HIP HOPは説得力だから。 俺のアルバムや曲や言葉が格好良いって思われる背中なのかどうかってところですよね、大切なのは。

一客演陣のチョイスが面白いですよね。特にラッパー陣、RyohuさんとかHI-KING TAKASEさん、HARZEY UNIさんとかはかなり意外でしたし。

リベラルRyohuとは仲良くてさせてもらってて、I.MY.MEに呼ばなかった事をずっと言われてたんですよ。シンプルにそう言ってくれるの嬉しかったし、 この曲がアルバムで唯一バンドサウンドなんですよね。その方がRyohuっぽいかなって思って。 内容としては結構コミカルなラップの掛け合いなんですけど、このRyohuのとの絡み方って俺にしかできないと思うんですよ。

" 俺たちラッパーって自分の中で納得のいく最高の1ヴァース書けた瞬間や、ライブでブチ上げた瞬間の為に生きてるじゃん。 "

一確かにこれは初めて聴くRyohuさんでしたね。ファンが聴いたら喜ぶと思います。笑
HI-KING TAKASEさんは僕と同郷のフッドスターなんで呼んでくれて個人的に嬉しかったですね。

リベラルタカセさんは昔から聴いてて、ずっと好きだったんですけど。 サナバが人間交差点に呼んでもらった時に挨拶して、その後もファミリーで会ったりして。 話の中で「俺たちラッパーって自分の中で納得のいく最高の1ヴァース書けた瞬間や、ライブでブチ上げた瞬間の為に生きてるじゃん。」って言ってて。間違いないなって。 タカセさんの「ふるさと」って曲の中に「約束の1ヴァース」ってラインがあるんですけど、それ引用して俺も1ヴァース呼んでもいいですかって言ったら快諾してくれて。

一タカセさんは元々かなりのフロー巧者だと思うんですけど、今回の曲「マニマニ」のタカセさん史上最高クラスの変態フローですよね。 リリックもかなり攻めてるし。よくメジャーアーティストがこんな曲書けるなっていう。笑

リベラルそこはノー・コメントで。笑

一最後の曲「FRESH」ではHARZEY UNIさんを呼んでますね。 僕はずっと大阪住んでたので知ってて、ライブも見た事があるんですけど。ここが一番意外な人選でした。

リベラルHARZEY UNIさん滅茶苦茶良くないですか? インスタでライブ映像流れてきて、ラップもメロディセンスも素晴らしいなと思って速攻DM送って。 幸いサナバのことも知ってくれてて。それで実際会ったら超良い人で。 ラップってその人自身が投影されてるかどうかが大切だと思うんですよ。 HARZEY UNIさんは本当にそこが優れてて。ラップから人間が滲み出てるじゃないですか。 俺のアルバムに参加してくれた人全員に共通してるんですけど。

一確かにそれは感じます。ラッパーだけじゃなくてシンガーやビートメーカーもそうですよね。 当然リベラルさんもそうですし。だからこそ音楽的にも良い作品なんですけど人間味が凄く出てるアルバムだなって。 内容の話に戻りますけど、今回一番伝えたい事としては表題曲「surrea-rhythm」で歌っている事ですよね。 「見えてるものと本質は違う」っていう。

リベラルそうですね。アカペラ曲「surrea-lism」からの表題曲「surrea-rhythm」は併せて1曲みたいなもので、伝えたい事としてはその通りです。 これ歌詞カード見てもらうと分かるんですけど、ギミックが仕掛けられてるんですよね。 見えてるものと真実の乖離っていうものを表現したくて。フィジカルを持つ意味も持たせたかったし。 ソロ活動でのレーベルslugger PRODUCTIONでは–表現者から消費者に届くまで、関わる全ての行程がアート-っていうのをコンセプトに掲げてて。 リスナーの人の手に届いて、その人が歌詞カードを見て、音源を聴いて、消化するまでがアートの工程だと捉えてるんですよ。 だからこのCDを買った人には自分自身もアートを作っているって思って欲しいんですよね。

一今回のアルバムでも個人的に特に好きなのはSWING-Oさんビートの2曲です。 まずSARMさんを客演に呼んだ爽やかなサマーチューンLiLiA。 MVも面白いし聴いてて超気持ちい良いですよね、この曲。

リベラルSARM超良くないですか?見つけた時興奮しましたね。マジか!って。 実際話して見ると今時の子だなーって思うんですけど、自分のスタンスは絶対崩さないんですよ。そこが良いなって。 二人でどんな曲にしようって考えてる時に、SARMがこんなメロディどうですかって歌った中に「リリア」ってワードがあったんですよ。それで俺がリリアって良いじゃんってなって。 男を魅了するボンキュッボンな女性をイメージして、スペルは絶対LiLiAだなとか、どんどんイメージを広げていって。それで出来たサマーチューンですね。 ただSARMからは「私がLiLiAって思われたら嫌なんですけど!」って言われましたけど。笑

一そしてもう一曲が、前作に続きShunské Gさんを客演に呼んだCiderですね。 僕はこの曲が本当に好きで。今年一番のダンスナンバーだと思います。 I.MY.MEでも思いましたけどShunské Gさんとの相性がとにかく最高ですよね。

リベラル I.MY.MEではBlow Time Awayって曲で組みましたけど、ぶっちゃけここだけの話ダウンロード数を見てもあの曲がダントツだったんですよね。 それこそ他の曲の10倍ぐらい聴かれてて。

一Blow Time Away本当良いですもん。イケイケで聴いてて気持ち良いし、どの世代にも響く曲だと思います。 Ciderで改めて思ったんですけどリベラルさんってVerseとHookの繋ぎ方が滅茶苦茶上手い。 「大丈夫、君には俺とShunské Gがいるだろ?」とか「見えない音をみるためにさあ今ここで踊ろうぜ」とかHook前にワクワクするラインを置いてくる。 それって凄いなって思います。もともと良いHookが更に輝くというか。

リベラル嬉しいですね。それ俺の売りです。笑 そこは物凄く意識してて、これパンチラインだなって思ったラインはヴァースの最後に持っていく事が多いですね。 他にはあえて曲の真ん中に置いて展開をつけたり、踏みまくってるヴァースの中であえて韻を踏んでないラインを置いて違和感を残したり。 意外とそういう技を使ったりしてるんですよ。 当然ラッパーだから韻を踏むっていうのは大切にしたいですけど、ちゃんと内容も聴いて欲しいなって思ってて。 何より耳に残るものにしたいってのを重視して色々考えていますね。 この曲に関して言うと、もっと最初からイケイケな感じでラップを乗せる事も出来たんですけど、 あえて1verseと2verseはオンビートでラップを乗せて、自分の不器用さを出して意味を感じて欲しくて。 3verse目でオフビートで乗せて今っぽさも出して。 あえてこうやってるんだぞってところを見せたくって。

一滅茶苦茶考えて作ってるんですね。そこまで意識して聴けてなかったです。 それ言われるともう一回聴きたくなりますね。 で、Shunské Gさんともう一人、MEEKAEさんもI.MY.MEからの続投ですよね。 DinoJr.さんとValley in the bookさんも参加したマイクリレー曲「Let Me Show」。 この曲は皆んな良いんですけど、まずビックリしたのはDinoJr.さん滅茶苦茶ラップ上手いなって。

リベラルDinoJr.は俺と同じ年で、歌もラップもイケてて才能もあって。 この曲のビートはアイツが作ってるんだけど、マイクリレーで自分の部分トラックいじってて。 自作のトラックに歌とラップのせて、「絶対気持ちよくなってんだろ!」って。笑 Valley in the bookってのは大○なんですけど。 大○はラッパーじゃ無いからラップは8小節だけにして、あとは8小節サックス吹いて、 それで最後「俺が信じた音を鳴らすだけ」って言ったら格好良いんじゃないかなって。 で、実際録ってみたら最高に上手くいっちゃって。アレ超格好良く無いですか?

一確かにアレは最高に決まってました! それでこの曲のトリがMEEKAEさんですね。 僕はI.MY.MEではgo onが一番好きで。また共演してくれてありがとうございます!って感じです。

リベラルMEEKAEのHIP HOPに対するスタンスとかマインドが好きで。スキルは勿論なんだけど。 アイツ凄いんですよ。音源も作って流通も自分でやって、MVもイケてて。 俺がMEEKAEを知ったきっかけがfacebookの広告だったんですよね。 クラブのラッパーからすると当時、facebookに広告打つとか視野が広くないと出来ないじゃ無いですか。 それで凄いなって思って知り合いのツテから連絡して繋がって一緒に曲をやって。 本当MEEKAEの事みんなに知って欲しいんですよ。俺の曲がそのきっかけになれば良いんですけど。

一このアルバムの凄いところって被る曲が全然無いんですよね。だから飽きない。 HIP HOPマインド全開の曲もあれば、ダンスナンバーもあったり、コンシャスな曲もあったり。 暗い現実を描いた「Simple」や、不器用なラブソングの「にぎりっぺ」なんかもあって。

リベラル俺はフィクションは書かなくて、曲中にある事は全部自分に起こったことや見たものなんだけど。 それを踏まえてリスナーにどう既視感を生んでメッセージとして伝えるか。 影の部分とか、男女の関係性とか。色んな表現をする事でアルバムに奥行きがでるじゃないですか。 こんなリリックも書けるってところは知って欲しくって。それが沢山の人に刺されば良いんですけど。

" みんな俺に投資してくれてる。
その分期待に応えないといけない "

一本当に色んなアプローチがあって聴いてて飽きない作品だと思います。 聴くたびに発見があって、長く聴けるアルバム。それって本当に大切な事ですよね。 さて、長くなりましたけど、最後にこれを読んでる人に伝えたい事ってありますか?

リベラル今回のアルバムにはアルバム作るって行った時に第一声が「参加したい」って言ってくれた人しかいないんですよ。 みんな俺に投資してくれてる。その分期待に応えないといけないって気持ちもあって、詰めれるものは全て詰めました。 そんな中でもこんだけのクオリティのものが作れるのは、やっぱり人の繋がりで出来たアルバムだから。 本当に良い作品が出来たと思います。是非聴いて下さい!

一僕も自信を持って人に勧められるアルバムです。本当に多くの人が聴いてくれる事を願ってます。 以上、ありがとうございました!

取材協力:Beagle

Photo by吉岡尚也